SPY×FAMILYの魅力はたくさんありますが、その中の1つは顔や名前、故郷等の身分を全て捨て去って一人で生きる主人公が、様々な家族と邂逅し関わっていく点にあると思うのです。
スパイとファミリーのコラボレーション!つまりSPY×FAMILY。
優秀かつ西国一を自称する諜報員である彼に影響を与えたり、与えなかったり…?
とにもかくにも、物語中に登場した”家族”についてじっくり分析していきますよ。
作品を改めて楽しめる機会になれば幸いです^^
今回ピックアップする家族は、MISSION:1よりエドガー、カレン父娘です。
1.人物紹介
〇エドガー
父親。
色素の薄めの髪と目の色をしている。おそらく娘とお揃い。
ややタレ目と長い下まつげ、が特徴。これも娘とお揃い。
体格よく強面で、いかにも威厳のありそうな見た目。ボディガードを引き連れており、ボスと呼ばれていることからも偉い人らしい。
黄昏曰く”娘思い”
アーニャ曰く”ほんもののわるいひと”
〇カレン
娘。
肩にかかるくらいのミディアムヘアにカチューシャを着用。
おでこを出したヘアスタイルのため、髪型でも父親と似ている印象がある。
結婚を意識しちゃうようなお年頃らしい。
パパに仕事のことで八つ当たりされることがある。
恋人のロバートとレストランで食事していたところ突如別れを切り出され、言葉を返せないまま立ち去られてしまった。
ロバート曰く”君には…君の父親にはもう用はなくなった”
〇ロバート
カレンの恋人。七三分けの前髪に眼鏡をかけたインテリ系の男性。中身は〈黄昏〉。
”ヅラ写真を奪”った張本人で、恋人に別れを告げた後失踪。(お役御免)
2.人物像考察
〇エドガー
フルネームは不明だが、エドガーはファミリーネームなのではないかと考えている。(〈黄昏〉が対峙したときに「エドガーさん」と呼びかけていたが、ボスと呼ばれているような年上の男性にファーストネームで呼びかけるのはおかしいかなと思ったので。)
職業について明言はないが、対西国強硬派のマフィアではないかと推察。
(西国宥和政策を掲げる外務大臣を辞任に追いやりたいこと。アーニャの通信を傍受したらしい建物が大きめのビルであり、表立って活動できているらしいこと。部下の皆さんが彼をボスと称していること。仲間を突如射殺できるくらい権限を強く持っていること。)
ちなみに、本物登場時に両脇にいたボディガードとの身長差を見ると、せいぜい180㎝以下の身長なので、187cmの〈黄昏〉が変装するには背を縮めてがんばっていたのかなと思うと微笑ましい。
〇カレン
ピアスにネックレス、複数のブレスレットなど多くのアクセサリーを身に着けており、ワンピースの柄もなかなか派手で華美を好む性格らしい。肘をついて食事をする姿勢などから、悪く言ってしまうとちょっと品がない印象。
ほっそりとした体型をしているのでボリュームのあるデザインの服や髪型の方が可愛らしく見えたような気がするが、一応悪役の立場なので致し方ないのだろうか。
野暮ではあるが、彼女がもしSHORT MISSION:2に登場するモニカちゃんのようなビジュアルをしていたら、彼女を擁護し主人公を非難する読者が増え、〈黄昏〉の立場がよりフラットに近づいたのかも…しれない。
〇ロバート
カレンの好みに合った人物ではあったのだろうが…。
任務達成後だということもあり、作中の彼は、、まーあ酷い男。
デートの食事中、会話は上の空で目も合わせず、食事のペースもおそらく違う。さらに破局の文言は”君の話には知性を感じない”だそうです。
(そんなのどうやって直すねん、一朝一夕に身につくものでもないし。
・・・彼女の話しぶりは確かに語彙力のある感じではなかったが。)
ただ、そうやってカレンに嫌われるような言動を取ることで後腐れなく別れようとしているなら、それは彼の生存戦略であるのと同時に、優しさでもあるのかもしれない。
いや、やはり前者かな…。
エドガーさんとの接触も果たしていると思う。(そのときに発信機や盗聴器を設置?)カレンがパパのことを話題に出しているし、ロバートはパパ狙いでカレンに接近したので。カレンへ家族に紹介してほしいとか掛け合って、家族ぐるみのお付き合いをして・・・。そうしたら、結婚が頭に浮かぶのも仕方がないことだと思う。やはり酷い男。
3.偽造報告書
<黄昏>より本部へ 報告書No.004
オペレーション<ヅラ>を完遂せり
(1)経緯
◎月×日 財務大臣が屋外にてカツラを風に飛ばされる事案が発生ー①
エドガー組が件の現場写真の買取を所望する情報を入手
(2)作戦目標
エドガーと情報提供者との取引阻止および証拠写真の隠滅
(3)経過報告
エドガーの身辺情報を調査した結果、
娘のカレンが情報入手・協力者に適任と判断ー②
カレンに興味をもつ男性<ロバート>を設定、役を担う
◎月××日 <ロバート>として標的娘に接近、管理下に置くことに成功
◎月××日 娘を介して<ロバート>が標的と接触、人物像や活動拠点情報を取得
◎月××日 通信傍受により標的の取引日時を把握ー③
◎月××日 標的の容姿にて提供者と接触
取引の阻止および証拠写真、ネガの入手に成功
標的娘との関係を解消
(4)任務後処理
〇月×日 オペレーション<梟>における活動拠点を突き止められ、エドガーと再度対峙
娘の犯罪行為の把握を交渉材料に出し、彼女の身の保障について恫喝
<黄昏>への関わりを今後一切行わない合意を取り付けた
(5)所感
娘を大事に思う父親は、娘を人質とすることで掌握が容易くなるようだ
(フィクションです)
※余談
①ヅラ写真を見る限り、人為的に操作された事件ではなく偶然飛んでいった様子ですね。そのスキャンダルをしっかり写真に収められていることから、情報戦の激しさというものが伺えます。また、<黄昏>がエドガーに接近したのはこの写真の受け渡しを阻止するためだけだったことから、(日頃から警戒や監視はしていても、接触し続ける必要のある人物ではない)ヅラ事件が起きてから写真の取引があるまでの数日?の間にカレンを手中に収め、父親の情報を得ていたことになりますね。ものすごい早業。
②標的エドガーに近しい人物であったことと、犯罪経歴アリ=弱みを握れることから選ばれたのだと思います。(いざというときに脅せる)あとは、<黄昏>がハニートラップを仕掛けやすい年齢ということも考慮されたかと推察。
③アーニャが通信機で(おそらくデタラメに)メッセージを送ったときにエドガー達に傍受されたのは、発信する側のアンテナもそちらを向いていたから。つまり、以前<黄昏>が通信機のアンテナをエドガー本拠地の方に向けていて、通信を傍受していたからだと考えると自然。ちなみに、ワタクシ初めて作品を読んだときは冒頭のおじさんと誘拐のおじさんを別人物だと思ってました。
4.分析官の所感
<ロイド>も、娘を人質に取られたことでノコノコと敵地に赴いてましたね。
娘思いの父親、が共通して描かれていたところがうまいと思いました。
MISSION:1以降、ロイドさんはオペレーション<梟>にくじかけることはあっても、子供役をアーニャから他の子に変更するという選択肢は思考していないと思います。
アーニャ、おいてかれるとなみだでちゃうので。
冒頭の標的とアーニャを連れ去った人を同一とすることで、
登場人物もコンパクトにまとまっていてよくできた第一話だなぁと改めて感動。
ありがとう遠藤先生、ありがとうSPY×FAMILY!
報告は以上です。
解散!