隅々まで楽しみたい物語が、ある
Artiste-アルティストー

アルティストのココが好き②離れているけど側にいる…男2人の友情

フランス・パリを舞台にしたさもえど太郎先生による漫画”Artiste”について綴ります。
読めば読むほど好きになる?心温まる作品です。

ココが好き!シリーズ今回は、大人から始める男同士の友情がアツい!について。

好きなんです…バディもの。
男性ペアだったら、決して恋愛感情はないけれどヒロインが入り込めないようなお互い分かりあっている絆があって、常時一緒にはいないけれど何度でも再会する縁があって、互いに足りないところを補い合って成長して、並んでいると安心する…(長い…)
そんな、そんなコンビが、
アルティストにはいますーーー!

ハイ、ジルベールとマルコです。
年齢、出身、体型、性格…
何もかも違う彼らが出会ったのは、パリのとあるレストランの皿洗い場でした。
プロンジュール(皿洗い・下働き)配属で働くことになったマルコは、同僚のジルベールに仕事を教わりながら、前のめりな姿勢で彼と関わりジルに変化と驚きを与えていきます。
そして様々な導きがありつつ、各々が別のステージへ進んでいくことになります。
その後もなんやかんやあって付き合いを続ける彼らですが、物語が進むにつれて明らかになっていくマルコの繊細さと、ジルベールの大胆さが印象的だと思っています。
ぱっと見は逆のイメージなので!

オドオドしていて言いたいことが思うように伝えられず、現地民なのにお土産用のエッフェル塔をコレクションしてしまうようなジルベールは、しかし核心をつくことをズバッと伝えられたり、オブラートに包んだ方がいいこともグサッと口に出してしまう一面を持っています。
一方マルコは、人当たりが良くて器用、人間関係に困ったことがあまりないらしいかと思えば、かなり冷静に周りを観察しているし、余計なことは言わずに距離を取ったり傷ついている様子が見られることも。
彼ら2人に限らず、キャラクターの人物像を多面的に見せてくれる作品で、登場人物の特徴をこれ!と一言で表現できないほど豊かなのもアルティストの魅力だと思っています。

ジルとマルコは第三者へ互いのことを説明するとき、”はじめて”という表現を使っています。
そして、ジルの方がマルコによって変化をもたらされていたかと思えば、マルコもマルコでジルベールに影響を大きく受けていたことが分かっていくのがとても良いのです。
様々な人と関わり合いながら成長を遂げていく彼らですが、きっとそのきっかけになったのはこの2人の出会いで、お互いにとって始まりの人であることがもう…たまりません。

”・・・君には最初から最後まで・・・驚かされてばっかりだ”
(単行本一巻)

Atristeの原点にして軸にもなっているデコボコな2人の友情をぜひ本編で辿ってほしいです。

ありがとうさもえど太郎先生、ありがとうArtiste
今回はここまでです。またね